高架水槽の給水を支える「電極棒」とは?

目次

5本電極による揚水ポンプ制御を初心者向けにやさしく解説

マンションやビルの給水設備では、受水槽から揚水ポンプで屋上の高架水槽(高置水槽)へ水を送る方式がよく使われています。

このとき、水位を見ながらポンプを自動で動かしたり止めたりするために使われるのが電極棒です。

この記事では、電極棒とは何かという基本から、5本の電極棒でどのように高架水槽の給水を制御しているのかまで、できるだけわかりやすく解説します。

電極棒とは?

電極棒とは、タンクや水槽の中に取り付けて、水位を電気的に検知するための金属棒です。

水がその棒に触れると、液体を通して電気が流れる状態になり、その通電の有無で

  • 水がここまで来た
  • まだ来ていない

を判断します。

つまり、電極棒は水面を直接目で見ているわけではなく、水が電気を通す性質を利用して液面を検知しているのです。

引用:マコム株式会社

引用:エフシー・サービス株式会社

電極棒はどんな仕組みで動くの?

電極式の水位検知は、電極に水が触れると電気が流れるというシンプルな原理で動いています。

基準となる電極と検出用の電極の間に電圧がかかっており、水が両方に触れると回路が成立します。

制御ユニットは、その「流れた・流れない」を見て、ポンプを起動したり停止したり、あるいは警報を出したりします。

初心者向けにかなり簡単に言うと、電極棒は水に触れたらスイッチが入るセンサーのようなものです。

高架水槽の給水をどのように制御しているのか?

水が使われて水位が低下するケース

  • 水位が低下し揚水ポンプ起動の電極が離れて揚水ポンプが起動する
    ※ここで揚水ポンプ停止の電極まで水位が回復し通電されれば揚水ポンプは停止する
  • さらに水位が低下し減水異常の電極が離れると減水異常が発報する

給水されて水位が回復するケース

  • 水位が回復し減水異常の電極に通電されると減水異常が復旧
  • さらに水位が回復し揚水ポンプ停止の電極に通電されると揚水ポンプは停止する
電極棒主な役割動作のイメージ
1番短い棒満水警報ここまで水が来ると異常高水位として警報を出す
2番目に短い棒揚水ポンプ停止水が十分たまったので揚水ポンプを停止する
3番目の棒揚水ポンプ起動水位が下がったので揚水ポンプを起動する
4番目の棒減水・渇水警報水が少なすぎると警報や異常表示を出す
1番長い棒コモン(共通電極)検知の基準になる電極

コモン電極って何?

5本のうち、一番長い棒は「アース」「コモン」「共通電極」と呼ばれることが多いです。

これは、他の電極が水に触れたかどうかを判断するための基準となる電極です。

制御回路の土台のような役割を持っていて、このコモンが正常でないと、他の電極の検知もうまくいかなくなることがあります。

よくある不具合やトラブル

便利な電極棒制御ですが、現場では次のようなトラブルが起こることがあります。

トラブル
電極棒のサビや汚れ

電極にサビや付着物があると、正常に通電せず誤検知の原因になります。

トラブル
電極保持器の腐食

屋外設置の設備では、保持器やそのカバーが紫外線や雨風で劣化し、腐食して接触不良や脱落を起こすことがあります。

トラブル
警報が出ない、または誤作動する

本来なら異常時に警報が出るはずなのに、保持器や配線の劣化によって警報が発報しないケースがあります。

トラブル
電極棒だけでなく制御リレー側の不具合もある

満水警報が出ても水が止まらない、あるいは減水しているのにポンプが起動しない場合は、電極棒だけでなく制御ユニットやリレーの消耗も疑う必要があります。

まとめ

高架水槽で満水異常や減水異常の警報が出ると、つい「本当に水位がおかしいのでは」と考えがちです。

しかし、実際に水位を確認して正常であれば、水そのものの異常ではなく、水位を検知している電極棒の異常を疑うべきケースがあります。

電極棒は見た目には単純な部品ですが、サビや汚れ、腐食、接触不良が起きると、正常な水位でも誤って異常信号を出してしまうことがあります。

そのため、警報が出たときは水位だけを見るのではなく、「検知している側に問題がないか」という視点で点検することが大切です。

高架水槽のトラブルを早めに防ぐためにも、電極棒や保持器の定期点検は欠かせません。

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