受水槽満水異常の原因と復旧方法!【高架水槽方式編】

目次

まず知っておきたい「高架水槽方式」とは?

マンションやビルの給水には、大きく分けていくつかの方式がありますが、高架水槽方式(高置水槽方式) は以下のような仕組みです。

「水道本館 → 受水槽 → 揚水ポンプを使って高架水槽へ送水 → 高架水槽から重力で各住戸へ送水」という仕組みです。

  • 受水槽
    水道本管から水を一時的に溜めておくタンク
  • 揚水ポンプ
    受水槽の水を高架水槽へ送り上げるポンプ
  • 高架水槽
    屋上などの高い場所に設置し、重力で各所へ給水するタンク

この仕組みを理解しておくと、異常が起きたときの判断が格段にしやすくなります。

受水槽 満水異常

「満水異常」ってどういう状態?

受水槽には、水位を検知する電極棒(フロートセンサー)が取り付けられており、水位が一定以上になると警報が発報します。

「満水異常」とは、受水槽内の水位が正常な上限を超えてしまった、または超えたと検知された状態です。

放置すると水があふれ(オーバーフロー)、地下ピットへの浸水や電気設備への被害、さらには水道料金の大幅増加につながる恐れがあります。

参考:株式会社ミヨシテック

主な原因

#原因解説
1ボールタップの故障・固着・ゴミ詰まり最多原因。ボールタップが閉じなくなり、水が流れ続ける
2定水位弁(主弁)の停止不良弁が閉まらず給水が止まらなくなる
3定水位弁のスケール(水垢)詰まりダイヤフラム室などに水垢が詰まり弁が閉まらない
4パイロット電磁弁の作動不良電磁弁が誤作動し弁閉動作ができない
5高架水槽からの逆流(チャッキ弁の故障)逆流防止弁(チャッキ弁)が劣化すると高架水槽から受水槽へ水が逆流する場合がある
6電極棒・センサーの誤作動電極棒のサビや配線不良により、満水でないのに満水と誤検知するケース

一番多い原因はボールタップのゴミ詰まり・固着です。

ボールタップが詰まると「給水が止まらなくなる」または逆に「給水が始まらなくなる」という、真逆の症状が出ることがあります。

参考:新栄水槽サービス

応急復旧の手順

まず安全確認を!
受水槽に近づく際は足元への浸水・漏水に注意し、感電の恐れがある電気設備には触れないでください。

① 水位を目視で確認する

可能であれば、受水槽上部のマンホールを開けて実際に水が満水状態かどうかを目視で確認します。

水位が正常なのに警報が出ている場合は、電極棒やセンサーの誤作動の可能性があります。

② 揚水ポンプを手動運転に切り替えて高架水槽へ送水する

受水槽の水が満水になっている場合、受水槽内の水を高架水槽側へ送り出すことで水位を下げることができます。

揚水ポンプ制御盤(スイッチの配置など別の作りもあります)
STEP
揚水ポンプの運転モードを「自動」から「手動(試験)」

手動運転にすることで高架水槽へ送水が始まります。

ポンプはNo.1、No.2どちらを選択しても構いません。

STEP
受水槽の満水異常が消えたら自動に戻す

しばらくすると受水槽の推移が下がり「満水異常」が消えます。

満水異常が消えたら、運転モードを自動に戻し、ポンプもNo.1、No.2を自動交互に戻します。

送水しすぎると今度は高架水槽側で満水異常が発生することがあります。その場合は、共用部の蛇口などから水を使用して高架水槽の水位を下げてください。

③ 受水槽の排水バルブ(ドレンバルブ)から水を抜く

揚水ポンプで水を送り出す以外に、受水槽の底部にある排水バルブ(ドレンバルブ)を開いて水位を下げる方法もあります。

排水後は必ずバルブが完全に閉まっていることを確認してください。閉め忘れると今度は減水異常が発生します。

根本的な解決方法

応急対応で水位を下げられても、原因を取り除かなければ再発します。
速やかに給排水設備の専門業者へ連絡し、以下の点検・対応を依頼してください。

  • ボールタップの点検・清掃・交換
    → 固着・ゴミ詰まりの解消
  • 定水位弁の点検・清掃・交換
    → スケール除去・弁体の作動確認
  • 電磁弁・電極棒の点検
    → 誤作動の有無を確認
  • チャッキ弁の点検・交換
    → 逆流がないか確認

参考:三興バルブ継手株式会社 – 定水位弁の故障と対策

満水異常まとめ

項目満水異常
状態水位が上限を超えた
緊急度高(浸水・漏水リスク)
主な原因ボールタップ・定水位弁の止水不良、逆流
応急対応揚水ポンプ手動→高架水槽送水 / 排水バルブで水抜き
業者依頼早めに依頼

よくある誤解と注意点

「警報をリセットすれば大丈夫」は危険!

警報盤のリセット操作で音が止まっても、根本原因が解消されていなければ必ず再発します。 誤作動かどうかも含め、必ず現場を目視確認し、疑わしい場合は業者に点検を依頼してください。

「誤報だろう」と放置するのは厳禁

電極棒の誤作動により「実際には正常水位なのに警報が出る」ケースもありますが、それはプロが確認して初めて言えることです。素人判断での放置は絶対に避けてください。

警報が出たら「記録」を残す

いつ警報が出たか、どのような状況だったか(連続か断続か、天気、水の使用状況など)を記録しておくと、業者への状況説明がスムーズになり、原因特定が早くなります。

受水槽管理の基本的なポイント

管理項目推奨頻度
日常巡回点検(水位確認・警報確認)毎日
ボールタップ・定水位弁の動作確認月1回程度
受水槽の清掃・消毒年1回以上(法定義務)
ポンプ・電極棒の定期点検半年〜1年に1回

10㎥を超える受水槽(簡易専用水道)は、年1回以上の清掃と水質検査が法律で義務付けられています。適切な管理を行い、異常の早期発見に努めましょう。

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